インプラントの成功と失敗



インプラントは、手術を伴う治療でありますから成功率は100%とは言えませんが、現在では、かなり高い確率で成功しています。
10年ほど前まではインプラント治療の失敗で訴訟などがあったり、マスコミなどで危険性が指摘されていたりしていました。それは手術が原因であるというより、歯科医のスキルの問題でした。現在は情報が行き届きそういった面も解消されつつあります。

インプラントの成功率


インプラントが骨と結合する確率は上の歯であれば大体8割以上、下の歯であれば9割以上の成功率が見込めます。患者さんの骨の量や治療後のメンテナンスや歯科医師の技術によって成功率は変わってきます。インプラントの成功率は他の治療法と比べてもかなり良い結果が得られます。

高齢者の方のインプラントもしっかり骨と結合し、良い結果を得ています。必ずしも年齢がインプラントの成功を妨げる原因になるわけではないという臨床結果が出ています。

インプラントの失敗の原因




では、インプラントが骨と結合しない原因は何でしょう。糖尿病、歯周病菌による感染、喫煙、骨密度の低さなどが考えられます。

喫煙はインプラント成功率に大きく関係します。喫煙していると血液の流れが悪くなってしまい、手術後の骨の結合に支障をきたします。また、歯周病にかかりやすくなります。喫煙している人はインプラントの成功率も下がりますので、インプラントの治療期間中は出来るだけ禁煙をお願いしています。



インプラント治療のためには、喫煙は好ましくないといわれています。インプラントと喫煙にはどのような関係があるのでしょうか。また、何...




インプラント手術後のメンテナンス




術後も定期健診を継続して受けていただき、歯のクリーニングなどのメンテナンスを続けることがインプラントを長持ちさせるためにはとても重要です。

インプラント治療で、一度インプラント体と歯茎の骨とが結合されてしまえば、インプラント治療においてのトラブルは起こりにくくなります。
もし、インプラント治療後のメンテナンスの不備があると、インプラント体とその上部に付ける義歯は虫歯になることはありませんが、インプラント周囲炎という歯周病によく似た症状の病気になることがあります。インプラント周囲炎がインプラントをダメにする大きな要因となっています。

現在インプラントの技術とメンテナンスを確実に行うことで数十年もつことが証明されています。信頼のおける先生なら、現在のインプラントシステムで治療すれば、97%以上の成績が出せるという臨床結果が出ています。

過去のデータでは90%でしたが、現在のインプラントシステムはかなり改善されていますので、もっと良い成績が出ると言われています。それには、何よりも担当される先生の経験が重要です。

更に、終了後の経過でのメインテナンスがもっとも重要です。10年間何の問題もなく使用できる確率は、一般的には90~95%程度と言われています。
しかし、患者さんの口腔環境、健康状態、使用するインプラントの種類、手術する人の腕、かぶせものの設計等により成功率は変化します。

どんなものにも「絶対」はありません。もしもの時の保証等もきちんと説明してもらえる、信頼できる先生に出会えるまで諦めないで準備をしてください。

失った歯の部分に歯を作る治療としては入れ歯やブリッジという治療もありますが、インプラントは自分の歯のように噛むことができますし他の歯を削ることもないので健康な歯を傷つけずに治療できます。