インプラントのメリットとデメリットについて



歯が抜けてしまった時の修復方法として、顎の骨に人工歯根を埋めるインプラントという治療方法があります。インプラントは従来の治療方法に比べて、どのような点が優れているのか、また、欠点はないのか。インプラントは高額な治療ですので、治療を考えておられる方は、これらを良く知っておく必要があります。以下にメリット、デメリットをまとめました。


インプラントのメリット




・最大の利点は、ブリッジのように両サイドの歯を削る必要がないということです。

従来の治療では歯を失った場合は入れ歯かブリッジという選択肢でしたが、インプラントの場合は入れ歯やブリッジよりも長持ちします。入れ歯は健康な歯にバネをかけて支えるために、健康な歯に負担をかけることになります。ブリッジの場合は、両隣の健康な歯を削らなければなりません。その点、インプラントは、他の歯に負担をかけたり傷めたりということがありません。
残っている歯の負担を減らせるということは、残っている歯全体の健康のためには、これ以上ない良い方法だと言えます。

・インプラントは、噛む力が非常に強いです。
インプラントは、顎の骨に直接埋め込み、しっかりと結合させますので、安定していて良く噛めます。入れ歯の場合、長く同じものを使っていると、噛む力が段々と低下していくことがありますが、インプラントの場合は、健康な歯と同じ強さで噛むことが出来ます。

・自分の歯が生えたのと、本当に同じ感覚になります。
インプラント治療により、食事が楽しくなり、自然の歯に近い美しい歯を手に入れられます。

・若返った感じがして精神的に満足度が高い
入れ歯をいれることにより、ふけた感じがしたり、自分自身が老いてゆくようなイメージを持つこともありますよね、インプラントはもう一度永久歯が生えてくるのと同じですので、若返ったイメージをもたれる方も多いようです。
また、インプラントはチタンからできており、チタンは体の中で活性水素を発生して老化を促進させる活性酸素から守ってくれます。

・脳細胞を刺激する
よく噛むことは、脳に刺激を与え、思考力を増し、脳細胞の活性化につながることが、医学的に証明されています。

・メンテナンスによるメリットもある
インプラントを長持ちさせるにはメンテナンスが必要です。メンテナンスする事により、歯周病の予防になります。歯周病の予防により、歯周病を原因とする全身の病気、例えば心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病、早産などの防止につながります。


インプラントのデメリット




・インプラントには手術が必要です。
インプラントの手術はどのくらいの負担かというと、インプラント1本について、天然の歯を1本抜くくらいの体の負担になります。天然の歯といっても、グラグラの歯は抜きやすく、親知らずは抜きにくいですね。前歯と奥歯の中間くらいにある小臼歯という中くらいの大きさの歯がありますが、健康な小臼歯1本を抜くくらいの体の負担がかかります。

・一時的に腫れや出血が起こることがあります。


・重度の糖尿病や心臓病、骨粗鬆症の方などは、手術が受けられない場合があります。


・治療期間には数か月を要します。


・保険がきかないために治療費が比較的高いです。


当院では、より安全に安心してインプラント治療を受けて頂きたい、インプラントにより噛める感覚を取り戻して頂きたいと願っています。


インプラントの利点と治療の流れ




インプラントの利点は、インプラント本体は顎の骨に固定されるため、しっかりと安定していて、なんでも噛めることです。入れ歯のような違和感もなく、取り外して洗う必要もなく、食べ物の味が変わってしまうということもありません。また、ブリッジと比べて、両隣の歯を削らなくても良いという利点もあります。通常は歯を抜けたままで放っておくと、顎の骨が徐々に痩せてしまうのですが、インプラント治療をすると、骨が痩せるのを防ぐことができます。

このように良いことづくめのインプラントですが、残念ながら欠点もあります。まず、治療には手術が必要であること。そして、保険がきかないために治療費が高額であることと、心臓病や糖尿病の患者さんは手術を受けることが出来ないということです。

次に、インプラントの治療の流れを見ていきましょう。

まず、一次手術で顎の骨にインプラントを埋め込みます。

一次手術後、3~6ヶ月おくと、インプラントと骨ががっちりと結合します。これをオッセオインテグレーションといいます。この期間中は仮歯をつける場合もあります。

二次手術では、歯ぐきを開いて、上部構造(人工の歯)を取り付けるための、土台を取り付けます。さらに、歯ぐきが治癒するまでの間、1~6週間程度おきます。

歯ぐきが治癒すると、型を取って、上部構造(人工の歯)を作り、それをインプラントに取り付けます。