安心できる安全な治療とは?|神戸インプラント総合クリニック

安心できるインプラントとは?

インプラント成功率

当院の10年後のインプラント成功率は96%あり(追跡可能症例)(2012年1月〜12月の間にインプラント手術を行った2,173本の内、2023年1月時点で調査した結果2,087本のインプラントが残存)、過度に心配することはありません。

ただし患者さんから見れば、不安に感じる点も、色々あると思います。

インプラントが広がるにつれ、医療ミスの報道が相次いでいます。冒頭に掲載した読売新聞の記事によれば、その40%が神経麻痺とのことです。

こういう報道を見ると、ご不安になる方も多いと思いますが、最初にしっかりご理解いただきたいのは、インプラントの成功率は95%以上であり、決して過度に心配する必要はないということです。

ただその一方で、100%でないことも事実であり、患者さんの立場に立てば、慎重になられるのも当然だと思います。

私どもは患者さんご自身が、正確な知識を身につけ、納得したうえで治療を受けることが、何よりも大切なことだと考えています。そのため、このページでは「安心できるインプラントとは?」というテーマで、技術的な内容も含めて、とても大事なことをお伝えします。

インプラント治療の現状について

インプラント

インプラントについて、最初にはっきりとご理解いただきたいのは、これが自由診療であるということです。自由診療というと、どうしても保険の効かない高額な治療費に目が向きますが、もっと大事な点があるので、注意して下さい。

自由診療とは、医師に任された診療行為であり、言い換えれば、医師によって技能にバラツキがあることを意味します。

どういうことかと言えば、今の歯科医のほとんどは、大学でインプラントを教わっていません。大学にインプラントの学科が出来たのは、ここ数年のことであり、インプラントという授業は、大学になかったのです。

もちろん、国家試験にもインプラントはありません。ですのでインプラントをする医師は「民間のセミナー」に参加し、自分で学ぶことでインプラントをしています。

これが自由診療の、本当の意味です。

自由診療とは、単に保険が効かないだけでなく、国家が医師の技能を保証していないことを意味します。

同じ自由診療でも矯正の場合は、長年行なわれていますが、インプラントはここ数年で広まった方法です。ですから歯科医の中から見ても、技能と経験に相当な差を感じる治療法なのです。

インプラント治療の失敗と原因 その1

インプラント

インプラントで起きる問題は、短期・中期・長期と3つに分けて考える必要があります。まず最初に短期の問題をご説明します。

短期の問題は、新聞が取り上げている神経麻痺です。インプラント治療では、人工歯根であるインプラントを埋め込むために、骨に穴を開ける必要がありますが、そこには神経が走っています。

穴を開ける際に神経を傷つけてしまうのが、神経麻痺の原因です。神経は枝分かれが多く、穴の位置が1.5mmずれると、神経を傷つける可能性があります。

ですので、医師はCT撮影(断層撮影)を行い、患者さんの神経の位置を正確に把握することが何よりも重要です。レントゲン撮影でも神経の位置は分かりますが、枝分かれした神経までは把握できないので、正確を期すにはCT撮影が必要です。

そして単にCT撮影をしたから大丈夫、ということにはなりません。CT撮影で得られるのは、画像としてのデータに過ぎません。実際に手術する際には、その画像イメージを患者さんの口内に置き換える能力が、医師に求められます。

そしてこの作業にこそ、医師の経験と能力が最も顕著に影響します。経験豊富な医師であれば、CT撮影された画像から、患者さんの口内を実際に見た時に、正確に神経の位置を見定めることが出来ます。逆に経験の少ない医師は、ここで少なからず戸惑うものです。

インプラント治療の失敗と原因 その2

インプラント

次に中期の問題について、ご説明します。

中期的な問題は、患者さんの骨に埋入したインプラントが、骨と結合しないという問題です。通常であれば、人間の生体反応によりインプラントと骨は約90日で結合し、完全に一体化します。

ところが、患者さんの体質、骨の密度、骨の構造等、幾つかの原因により、一体化しない場合があります。

このような事態は、事前に患者さんの生活習慣等をしっかりヒアリングし、結合しやすい種類のインプラント(通常のインプラントより価格は高くなります)を選び、埋め込む穴の深さを通常より長くする等、適切な対処をすることで、防ぐことが可能です。

施術前に患者さんの特徴をしっかり把握し、綿密な治療計画を立てることで、殆んどの場合は、防ぐことが出来ます。

インプラント治療の失敗と原因 その3

最後に長期の問題について、ご説明します。

長期的な問題は、歯が割れるという問題があります。インプラント治療は、人工歯根であるインプラントを埋入する作業と、その上に新しく型取りした歯を被せるという2つの作業になりますが、この被せた歯が割れてしまうという問題です。

そして患者さんに知って頂きたいのは、新聞等では取り上げられませんが、実際のインプラント治療で一番多い不具合は、この歯が割れるという問題です。

歯が割れる原因は、噛み合わせが悪いことが原因です。言い換えれば、型取りした歯が正確に出来ていなかったことになります。

インプラントを埋め込んだ場合、これまでの自分の歯根より強い土台が出来ます。従来以上に強い力が、歯にかかるようになります。ですので、ほんの僅かでも噛みあわせが悪いと、被せた歯が割れてしまうのです。

これを防ぐためには、腕のよい歯科技工士を使い、時間をかけて正確な歯を作ることが必要です。歯の形はほんの僅かな違いがあっても、噛み合せに影響が出ます。非常に繊細な作業ですので、しっかりと調整することが必要です。

患者さんが注意すべきこと

これまでの説明を、患者さんの視点から整理すると、次のようになります。

【短期】:神経麻痺を防ぐには?

  • CT撮影はあるか?(CT装置を自院で所有しているか?)
  • 医師の手術経験は豊富か?
  • 医師が超過勤務で過労でないか?

【中期】:骨と確実に結合させるには?

  • 喫煙や持病について、問診がしっかりあるか。
  • 治療計画の説明を受ける時、「インプラントを埋入する位置」「インプラントの本数」「骨の形状」「神経と動脈の位置関係」。これらについて説明があるか?
  • また骨との結合について、問題がないかどうか、患者さんから確認するのも良いと思います。

【長期】:歯周病を防ぎ、かぶせ物の割れを防ぐには?

  • 歯周病の定期点検を確実にしている医者を選ぶ。
  • 噛み合せのチェック時に、違和感があれば、必ず伝える。
  • 治療後の定期メンテナンスまで、しっかりケアする医者を選ぶ。

以上、少々長くなりましたが、「安心できるインプラントは?」という視点でご説明させていただきました。

もしインプラントで何かご不安になることがあれば、こちらより遠慮なくお問合せ下さい。

また毎月開催している市民公開講座でも、ここには書けなかった話をお伝えしています。

ご参加いただければ、より知識を深めていただくことが出来ますので、ぜひご参加ください。

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